ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

02)トレーナーアドバイス・メニュ

ブレスで息が苦しくならずに曲を最後まで歌う

ブレスは息を取り込む行為です。ブレスのせいで息苦しいというのは、息が取り込めていないということです。ではなぜ息が取り込めないのでしょうか。その理由は、ブレスに至るまでに息を吐けていない(息が流れていない)からです。 歌っている最中、肺の中に…

トレーニングは不快を続けない

使ったことない体の使い方、足りていない使い方などをトレーニングで使えるようになるときにはある程度パワーが必要ですし、力むこともあるでしょう。それは特に問題ありません。しかしある一定期間、指導者とともにやっても体に力みや硬さ、苦しいなど不快…

本番前に何をするか

レッスンで「本番前にどんなことをすればよいか」という話題になりました。多くの歌手を見ていて思うのは、日常と同じように過ごして、日常と同じように歌うということでしょうか。日常と違うことをやるとかえって緊張やストレスを生みかねないなというのが…

口を縦に開ける方法

口をしっかり開けようとして余計な力みが入ると、結果として口を横に開ける(横方向に引っ張る)という状態になってしまいます。それを改善する手立てとして、口を「縦」に開けるという表現を使っています。「縦に開ける」と聞くと、口を上下に開けるという…

マイナスのコマンド、プラスのコマンド

声を出すときに、皆さんいろいろと考えたり工夫したりされていると思います。 例えば「遠くに飛ばそう」「思い切り明るく」「お腹の底から」等々。それはいいことだと思います。でもこれらを「客席の最後列めがけて」「頬骨を上げて」「ゆっくり吸って脇腹で…

歌と運動の関連性

歌と運動というのは、一見、全く関係のないもののように思えますが、実は密接な関係があります。歌うということ、それも、しっかりと声を出しながらということができるためには、体でのコントロールというものが欠かせなくなります。呼吸の取り方、吐き方、…

腹式呼吸もバランス

「お腹で息を吸うこと」「吸気でお腹がでる」「寝ているときは腹式呼吸」など関連するワードは多々ありますが、ヴォイトレにおいて腹式呼吸が絶対であるかのように君臨していて、胸式呼吸はその反対側のような位置にいます。これは極論のように思います。 腹…

顔に力をいれない

ヴォイストレーニングで「マスケラで響かせて」「目の周りで歌う」「頬を持ち上げて」などのアドバイスをされることがあります。これらは基本的にとても大事な要素ですし、多くの指導者が使うワードでしょう。しかし、これを意識して力んではいけません。顔…

トレーニングの基本はルーティン

自主的なトレーニングやレッスンは、自分の毎日のルーティンのように行うほうがより効果が高いと思います。調子がいいとき、悪いときありますが、いろんな自分の状態でもルーティンとして取り組むことで上達します。常によい状態で本番にのぞめたら最高です…

質問をしよう!

私はレッスンの終わりに必ず質疑応答の時間を設けています。「何か質問はありますか。」この時に質問が出るか出ないかが、上達の早さに関係がある気がします。 これは日本の学校教育にも関係がある気がします。日本で普通に学校教育を受けていくと、よほど成…

インプット・アウトプット

仕事で何か新しい手順を教わるとき、あるいはレッスンを受けるとき、メモを取ることが大いに有効ですが、さらにもう一段進めるお勧めの方法があります。それは「後で人に教えるつもりで説明を聞いておく」ということです。 人の脳は、読む、見る、聞くといっ…

コンサートに行こう

予断を許さない状況ではありますが、コンサートに積極的に出かけることをお勧めしたいと思います。DVDやYouTubeでもいいのですが、生は違います。記憶の残り方が違います。足を使ってそこの場所までいく、というのがいいのだと思います。行き帰りに見たもの…

間違えないように歌いたい。

「プロって間違えないんでしょ。」と聞かれることがあります。これは半分はあっていますが、半分は間違っています。プロたるもの、間違えずに、つまり歌詞と音程とリズムを正しく歌うことができるでしょう。でもそれだけでプロということができるでしょうか…

客観的な立場で自分のアクションを理解する

自分自身の行動というのは、思っていることと、実際に行われていることとで、必ずしも一致するとは限りません。自分自身で思い描いているアクションプランと、実際のアクションとで、乖離しているにも関わらず、それに気づくことのできる人はごく一部です。…

「初心忘るべからず」

これは、能楽の大成者、世阿弥の有名な言葉です。一般的には「物事に慣れると慢心してしまいがちだが、最初の頃の志を忘れてはいけない」という意味で使われて居ます。しかし原典にはこのように書かれて居ます。「是非の初心忘るべからず(未熟だった時の芸も…

声に執着しない

ヴォイストレーニングを受けている人にとっては、非常に難しい課題になるかもしれませんが、声に執着することによって、却って呪縛を受けたかのようになり、不自然な声になってしまうことがよくあります。発声を磨くことは大事なことに違いはないのですが、…

小さな空間よりも広い空間をイメージする

レッスンや練習のときに実際に使う部屋というのは、大豪邸に住んでいるなら別ですが、どうしても広さに限りがあると思います。ですが、小さな空間に合わせて練習することをメインにしてしまうとコンパクトになりすぎてしまい、実際に本番の空間で充分に実力…

支えの感じ方は人それぞれ

いわゆる支えというものの考え方は指導者によってさまざまです。人によっては丹田だといい、人によっては肋骨を広げたままそこを固定して閉じないようにといいます。お腹を前に出せという人、お腹を前に出すなという人、支えは骨盤底筋だという人もいます。…

喉は力で下げない

喉頭を下に下げるというアドバイスをされることがあります。喉頭を下げると、深さと力強さがうまれます。しかし生理的には、高い音域にいくと喉頭はあがりやすくなり、低い音域にいくと喉頭はさがりやすくなります。高音域にいっても喉が低い位置にキープす…

新しい習い事のススメ

時々、新しいことを習いに行くようにしています。 例えばやったことのないスポーツ、これまで縁のなかった言語、料理、プログラミング、ハンドクラフト等々。どれも声や音楽と直接の関係がないもので、むしろ自分の得意分野から遠ければ遠いほどいいのです。…

歌うように

ピアノなどの器楽曲の楽譜に、cantabile(カンタービレ=歌うように)という指示がよく見られます。楽器なのに歌うとはどういうことでしょうか。 雅楽の楽譜を見てみると、面白いことが分かります。雅楽は器楽のみの合奏曲で歌のパートはありません。なのに…

歌うように

ピアノなどの器楽曲の楽譜に、cantabile(カンタービレ=歌うように)という指示がよく見られます。楽器なのに歌うとはどういうことでしょうか? 雅楽の楽譜を見てみると、面白いことが分かります。雅楽は器楽のみの合奏曲で歌のパートはありません。なのに…

声の曲がり角

よく「お肌の曲がり角」などという言葉があるように、肌も年齢とともに徐々に若いころの勢いが失われていく時期があると思います。それは個人差がありますし、お手入れ状況などによっても差として表れるのはいろいろな形があると思います。しかし、ノーメン…

本気で上達したいのであれば

巷には「たった〇〇するだけで上達できる」や、「すぐに上達する〇〇」などといった類の書籍が増えてきましたが、私の感覚からすると、すぐに得たワザというものはすぐに消失するであろうと思います。芸事というのは、時間をかけて、自分自身の感性を研ぎ澄…

「レッスン前提出シート」の重要性

声という楽器は、目に見えず、出している自分と聞いている人で聴こえ方が違うという前提があります。その意味では「本日までのトレーニングでおこなったこと」はとても大事で、どのようなトレーニングをおこなってきて今の状態になっているかを知ることは解…

歌うときに舌根に力が入るときの改善方法

「舌根」という名前ではありますが、本当のところは「舌」の付け根ではありません。口の中を見ると付け根に見えるのですが、さらにその先があり、グルっと巻き込むようにして顎の先まで舌があります。本来の「舌」の付け根は顎の先端にあるのです。顎は、舌…

歌うときに足がフラフラしないために

歌唱時に足がフラフラする、力が入りにくいというのは、大いに歌に影響します。身体は筋肉も筋も皮膚もそれぞれの働きは繋がっており、歌うときに独立して働ける部位はひとつもありません。身体のどこかが部分的に動きにくくなれば、そこを補うための動きも…

深い呼吸を手に入れたい

当たり前のことですが、呼吸は肺に息を入れて、肺から息を出していきます。端的に言えば、肺に息が入りやすくなることが深い呼吸への近道です。とはいえ、私たちは肺や横隔膜など、内臓を意図的に動かしたり鍛えたりすることはできません。できることは、そ…

発声練習の前後のメニュ

私自身は有酸素運動を行っています。体そのものを温めてから発声練習をすることが多いですね。足の裏が冷えていたり、ふくらはぎが張っていたり、肩があがりやすいなどの時は声のバランスがうまくとれないことがあるのです。声というよりもより、柔軟や体を…

歌の練習曲

歌手としての基礎トレや体や息のトレーニングをメインに考えるのであれば、コンコーネ50番、パノフカ81番などは声楽やミュージカルなどを学ぶ方の多くはレッスンで取り扱うことが多い教材かと思います。他にはコールユーブンゲンやイタリア古典歌曲などもあ…