ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

ウの母音のトレーニングは基礎

日本語の5つの母音「あいうえお」の中でヴォイストレーニングの中でも特に使用回数としては少ないのが「ウ」の母音ではないしょうか。どの母音をメインで扱うかでもその指導者の指導意図や指導の癖が見えてきます。もし「ウ」の母音にこだわってレッスンをしていたり、「ウ」の母音を大切に指導している指導者がいたら外国人のような深い声、開いた喉をとても大切にしている指導者の可能性があります。ウの母音はその他の「ア」や「イ」のような明るい母音ではないので共鳴や声を前にだすといった力は少ないです。しかし軟口蓋を高くする。低い喉のポジションを安定させるといった効果がとても高い母音です。

このときにとても重要なのは日本語の浅い「う」ではなくアルファベットの「U」でトレーニングするということです。イメージが難しい方はアルファベットのUは口をあまり開けないオの母音だと考えていただいた方がよりアルファベットのUに近づきます。

日本語の「う」はとても浅く、喉も高い位置にあるので声の基礎力を上げるといった意味では不向きです。Uの母音はヴォイストレーナーがよくつかう「あくび」の状態をつくってくれます。実際のあくびのように指導されてもなかなか難しく発音がうまくいきません。しかし、Uの母音はその状態を作ってくれる便利な母音です。そして正しく発音されたUの母音で歌唱することができると、それが喉が開いた状態と言い換えることができます。

基本的にはどの母音も均一にトレーニングすることが望ましいですが、Uの母音はその他の母音とは違った効果をもたらしてくれます。

リスクとしては声帯が開きやすいので息漏れがおきやすいです。それを防ぐためには、交互にイの母音やアの母音をトレーニングしてみるとよいでしょう。