ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声種と性格

声種というのは主にクラシック歌手の声質の分類に使われる言葉です。声の高さや性質でソプラノ、メゾソプラノ、アルト、カウンターテナーテノールバリトン、バス等の分類があります。

女性の場合、高い声の人はソプラノ、低い人はアルト、中間ぐらいはメゾソプラノとわけ、オペラでは声種別に役柄が決まっています。ざっくり言うと、お姫様や若い娘役はソプラノ、お母さんや悪女役はメゾやアルトが努めることが多いです。

ではどうやって声種を決めているのかというと、もちろん持って生まれた声の高さなわけです。これはある程度、声帯の大きさで決まります(実際はもう少し複雑ですが)。

しかし訓練した歌手は高い音も低い音も歌いこなせます。その中でどの音域が一番美しく鳴るかが大きな要素となってきます。アルト歌手だからといって高い音が出ないわけではなく、低音が得意だからアルト歌手なのです(中には高い音が全然出ないアルトもいますが)。

そして持っている声以上に、その歌手の性格も声種を決定する大きな要素となります。ソプラノになる人は、私がプリマドンナ(主役)だと疑わない性格をしていることが多いですし、メゾやアルトになる人は落ち着いた性格の人が多いです。往々にしてソプラノとメゾソプラノ、あるいはメゾソプラノとアルトの間には、声そのものの明確な差はないものです。

もし自分の持ち声と自分の性格が一致しないと感じる場合は、自分で無理に声種を規定せず柔軟にやっていくのも一つの方策だと思います。