外国語には日本語には存在しない構成音がいろいろとあり、日本語話者には発音するのが難しい音も多々あります。
代表的な例は[l]と[r]の区別ですが、これに関して私は初学者にはあまり厳しく言わないようにしています。初めは日本語のラリルレロでかまいません。慣れてきたら工夫しましょう、というスタンスでいます。
それよりも気になるのは、[s]と[ʃ]の区別ができない人が一定数いることです。敢えてカタカナで書くと「ス」と「シュ」の音です。後ろにイの母音がついたときには「シ」「スィ」となります。50代以上の方に区別が難しい人が多いですが、若い人でも違いがわからないという人がちらほらいます。
この子音は英語をはじめとしたヨーロッパの諸言語に頻出しますし、中国語にもこのふたつの音の区別は存在します。がんばって聞きわけて発音しわけてみましょう。慣れれば全く別の子音だと感じられるようになります。
迷う場合は楽譜に「シ」「スィ」とひらがなやカタカナで書いておくといいでしょう。これは恥ずかしいことではありません。
最後に区別が難しい方のための早口言葉を紹介します。ゆっくりでいいので[s]と[ʃ]をはっきり区別しながら音読してみましょう。
Sally sells seashells by the seashore.