ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

楽譜に忠実に演奏することの大切さ

楽譜には、作曲者が細かく指示をしているさまざまな情報が記載されています。旋律(メロディー)はもちろんのこと、テンポ(速度)、表現指示、強弱指示、スタッカートやアクセント・テヌートなどの演奏指示、休符など、すべてを挙げだせばキリがないほどさまざまな情報であふれています。特にクラシックの世界では、これらの指示というものは作曲者が、思い描く音楽を演奏してほしいということを望んでいるのはもちろんですが、演奏者・特に歌い手にとって歌いやすく、効果的に演奏できるようにということも考えた上で書かれているものなのです。

ところが、この作曲者の指示している内容を無視して演奏しようとする人がいるのも現実ですし、無視したものが慣例となっているからという理由で、その内容を生徒に教えこませる教師がいることも現実です。仮にオペラだったとして、その歪曲した演奏方法でアリア1曲だけを演奏するコンサートだったら成立できたとしても、全幕を役として歌う中で、そのアリアの歌い方で重唱も歌いきることができるのか、役として魅せることができるのかというと、話が変わってくると思います。

作曲者は全幕を通して役として歌うために効果的な方法を楽譜に記しているのです。以前、楽譜通りに歌わなかった学生に対して、ソプラノ歌手のエヴァ・メイが「作曲者は遥かにインテリジェントなのよ」と言っていたのは、自分の中に深く刻み込まれています。もしも、歌いにくいと感じることがある人がいたら、楽譜通りに忠実に演奏しているかもう一度確認してみるとよいかもしれません。