ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

一流に触れる(2)

ほかに、本物に直接触れられるものとして、文学作品が挙げられます。役者さんなら、自分の演ずる台本を書いた作家の別の作品を当然読みたくなったりするでしょう。またそれに関連する大作家の作品も読むかもしれません。そうすることで、文学全体に興味を持つようになっていきます。学校の科目の「国語」なんてちっぽけなものです。また台本やドラマ化、映画化される文学作品は「穏当な」ものが多いのでつまりません。

文学は殺人事件、犯罪、不倫の宝庫です。(そういえばドラゴン桜の国語の先生もそういうことを言っていましたっけ。)狂気に近い人間の本性的な部分を追体験できるのです、しかもまったく安全な自分の部屋(カフェなど。)で。さらに、安上がり。図書館で借りることもできます。ぜひ長いものを冬に読みましょう。私はドストエフスキーの「悪霊」を読む予定です。

アーティストには絶え間ない自己否定が必要なように思います。「まだまだ自分はできていない。」「もっとどんどんよくなってやるぞ。」その自己否定の感覚を、天才芸術家にもらいに行くのです。そうすることで逆に「自分もまだまだやれるぞ」「絶対にビッグになってやる」と本当の意味の自己肯定感も育っていくのです。仲間内でほめあうだけでは本当の自己肯定感は育ちません。ぜひ独りになって、本物のアーティストと触れ合うようにしてください。