ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイストレーニングに関わっている方と、ブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声への執着からの脱却(その2)

以前、「声のことばかりを考えすぎて自己中心的になってしまうと、聞き手と自分とで乖離が生じ、聞き手の心をつかむような演奏・話し方になりにくい」ということを述べました。では、どのように改善していけば、声への執着からの脱却できるのかということを具体的に考えていきましょう。

歌の場合ですが、まず、理想とする声への執着を捨てるということが考えられます。好きなアーティストの歌い方、その人の声は、必ずしも万人ができるものではありません。歌う人が自分の楽器と向き合い、自分の声で歌うことが大事です。次に、音への執着を捨てるということです。音程を正しく歌うことは、当然大事なことです。高音域が出てきたら、外さずに決めることも大事なことです。ですが、そればかりに執着しすぎてしまうと、その歌がどういうものなのかということや、どの意図でその旋律が書かれているのかということと無関係に、音と声だけでちぐはぐな歌に聞こえてしまうことが考えられます。

このようなときは、発声そのものにも悪影響を及ぼしていることも考えられますので、木を見て森を見ずというようなことにならないように、音を一点でとらえるのではなく、フレーズ感など、音楽全体を大事に考えるようにしていくといいと思います。ほかにも、練習としては、全く別な作業を行いながら難しい部分のフレーズを歌う練習を行うと、声の呪縛から解かれることもあります。このような工夫を行い、お客様の心に伝わるものにしていけるといいですね。(♭Я)