ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声や音を考えすぎない

声が出しにくいと感じている人の多くに、どこかで声や音を考えすぎてしまって、体として不自由になってしまっていることが挙げられます。本人としては無自覚な部分があると思うので、なかなか気づきにくい部分ですが、例えば、「今のこの発声であっているのかな」だったり、音域が上がるにつれて「この響きでよいのかな」などという意識が生じた場合、その時点で声を構えやすくしてしまいます。

声を構えてしまうと、ブレスの時点で力みやすくなってしまったり、ブレスの時点で力んでしまいます。ということは、当然、そのあとの発声の段階でも力みが生じてしまい、不自然な状態に陥りやすくなってしまいます。この癖がひどくなってくると、癖を取り除くだけでも相当な努力が必要となってしまいます。

この状態から脱するためには、意識するポイントを、音や声ではなく、体の感覚、視覚的な情報に注力し続けることです。耳の感覚は、自分自身の練習という意味ではほとんど役に立ちません。(情報を取り入れるという意味では役に立ちますが、確認しながら発声するという行為に関しては、意味をなさないどころか、余計な癖をつけるだけで、結果が伴わないと思います。)無意識に行われている部分に関しては、状況を自覚し、改善につなげていくことが必要不可欠なので、大変な取り組みです。しかし、体の感覚が身についてくれば、ぶれ幅が狭まってくると思いますので、自分自身の感覚調整の指標としてはよほど正確だと思います。