ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

息とお腹の使い方

現代では普通に、声を扱う限りマイクがあるので、実は声量を大きくする必要はそれほどはありません。それでも発声練習の基本は声を大きく長く出せるようにすることです。なぜなら、大きく豊かな音を出すことは楽器の基本だから。歌ももちろん例外ではありません。小さい声での表現は大きな声での表現よりずっと難しい。(繊細な体の使い方が必要なため。)

劇団の発声練習を見たことはありますか。あるいは大学の応援団の練習を。とにかく大声を、何十メートルか離れて、ひたすら大きな声を出す。のどが嗄れても出す。あるいは川の向こう岸から、というのも聞いたことがあります。これらのトレーニングはべたですが、かなり有効です。しかし、もともと普通の声量があり、のどがある程度以上に丈夫であることが条件です。そのような人には私もここでたまに「叫んでー」「やっほー」「おおい」と大声を出してもらっています。そうでない人にはまずバレエの話をします。「体がもともと柔らかいより、硬い体を訓練で柔らかくした方がよい」と聞いたことがあります。

「器用な役者は大成しない、不器用な役者が大成する。」というのも聞いたことがあります。声が生まれつき大きくのどが生まれつき丈夫であるよりも、そうでない状態からトレーニングで手に入れた方がよいともいえると思います。そのためにはsで息を吐くトレーニングを地道に続けるところからです。(♭∴)