ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声の鳴り

日本人には胸が響くという声の状態がとても少ないように感じます。合唱団や声楽の指導者の中には胸や喉の鳴り・響きをNGとしてとらえる人も少なくありません。しかし、海外のポップス歌手、ゴスペル歌手のパワフルな歌声は明らかに響かせ方だけの問題ではないです。オペラ歌手もそうです。響きだけではなく、自然な喉の鳴り、胸の鳴りを劇場に響かせるオペラ歌手はとても多いです。胸腔も口腔も鼻腔もすべての共鳴腔が響いているといってもいいと思います。

例えば故・ルチアーノ・パヴァロッティの声は確かに響きも高いですが、しゃべっている声の延長上にあります。喉が鳴っています。大きな声でしゃべった延長に歌声があります。彼のインタビューを見ると彼の普段の話す声が聴けます。その声と歌声にほとんど差がないことに気づくでしょう。

高い響きの歌声のような部分で歌っているのではなく、しゃべっている声の延長に歌があります。特に彼が髭を伸ばすまえの若いころの映像を見ると、体全体で声を発声して共鳴腔が響いているのがわかりますし、胸郭もよく開いて発声の一つのジャンルとしては、すごいレベルのものを見ることができます。声の鳴りは決して怒鳴ることでも強い声を出すことでもないです。(習得するためにあえて大きな声で叫んだりすることはあります)小さな声でも鳴りがあるかどうかはとても重要です。(♭Σ)