ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

共鳴の訓練

私の場合は、共鳴や響きのトレーニングとしては、二種類、行うことが多いです。

一つはイの母音の訓練です。イの母音を頑張らず、高いポジションで遠くにポンと置くイメージで音階を歌ってみたりロングトーンで歌ってみたりします。イの母音は喉が頑張っていると中々習得が難しい母音ですが、慣れてくると5つの母音で一番扱いが楽な母音になっていきます。

もう一つはアの母音です。母音で最終的に一番難しい母音がアだと思っています。アの母音をイタリア語のアの母音で訓練します。イタリアではアの母音は太陽の母音と形容されることがあるくらい明るい母音です。これが暗くなると共鳴全体でうまくいきません。

ただでさえ日本人はア母音がとてもくらいです。例えば都市の名前で比較しても「Milano」「Roma」「Italia」のアの母音と「赤羽」「五反田」「埼玉」のアの母音はまったく違います。イタリア語のアの母音がクリアに発音できるようになるには舌の脱力、声を前にだす力、顎の脱力、下あごの開閉、などがうまくいかないと明るく発音できません。

カンツォーネなどを使用して声のトレーニングを行う場合は、イタリア語のアの母音を明るく発音することをお勧めいたします。それだけでカンツォーネを声のトレーニングとして扱う意味がでてきます。アの母音は安易に発声練習に扱うと本来の明るさではなく、浅さとなって結果的にうまくいかなくなることがあります。ウやオのように顎を開けることができる母音や口の中を広く保てる母音でトレーニングした後に、アの母音で共鳴のトレーニングをするとバランスがとりやすいかもしれません。