ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

歌の練習曲

歌手としての基礎トレや体や息のトレーニングをメインに考えるのであれば、コンコーネ50番、パノフカ81番などは声楽やミュージカルなどを学ぶ方の多くはレッスンで取り扱うことが多い教材かと思います。他にはコールユーブンゲンやイタリア古典歌曲などもありますが、コールユーブンゲンの役割は、ある程度コンコーネでも賄うことができます。イタリア語からくるレガートや母音をつなげることなどの訓練ならばカンツォーネなどを代用しても問題ないと思います。

私自身は、学生時代にコンコーネ50番、コンコーネ25番、パノフカ81番などをレッスンの課題として学んできました。他にもヴァッカイ、サルバトーレ・マルケージなどもやりましたが、現在はコンコーネ50番を毎日数曲トレーニングの中に加えています。未だに学ぶことが多く、またコンディションを整えるのにとても重宝しています。

体力や馬力も当時と違って、今は勢いでごまかしてはコンコーネは歌えません。ていねいな呼吸と支え、息の流れ、支え、フォームなどバランスがうまくいくことで歌うことができますし、毎日ルーティンのように取り組むことでその日の自分の調子のバロメーターの役割もはたしてくれます。

その意味では、コンコーネ50番一冊で一生学んでいける教材なのだと思います。例えば、息を優しく回すことができない人にとっては1番の課題は難題のはずです。音圧で力づくで歌えるのは若い時だけです。そして発声の基礎力を高めるためには50番全曲ではなく15番までで十分です。この15番までにロングトーン、レガート、声のチェンジなどの要素はたくさん詰まっています。とても学びの多い課題なので気になる方は取り組んでみてください。