ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

支えを鍛えるために

声のトレーニングの基礎は支えだと考えています。声楽家の場合、基礎が共鳴になってしまうことがあるのですが、共鳴をトレーニングしたとしても支えとのバランスがうまくいかないと薄い声になってしまいます。イタリア人は支えのない声をvoce bianca(ヴォーチェビアンカ)と言います。白い声という意味ですが、個性のない声、薄い声といった意味でつかわれます。

声の支えは力みではなくバランスでつかむものです。その意味では日常の訓練こそがとても重要になってきます。

効果が高く、やりやすいものとして片足で立って歌うというものがあります。どの音域、どの母音でもふらつかないようにしてトレーニングしましょう。このトレーニングでふらつくときはその音域やメロディラインが支えられていないとき、または違う力みが入っているときです。

ほかにも私自身は一本歯下駄やバランスを鍛えるための器具などに乗りながら発声したり歌うことがあります。基本的にはふらつかないことをメインに考えて発声などをしますが、余計なことを考えず、意識が体のバランスをとることに向くので力みが少なくなります。

力むということと支えを鍛えるということは切り離す必要があります。その意味ではバランス器具などを用いてのトレーニングは効果が高いと思います。

適切な力の入れ方は必要です。しかしそれは力みではないというところに奥深さがあったりします。一流の人のパフォーマンスがすごいのは力みではないところで、すごいパワーを生み出せるというところなのかもしれません。