ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイストレーニングに関わっている方と、ブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

関西弁とイタリア語

この研究所では教材のひとつとしてカンツォーネ集やイタリア古典歌曲集を使用しています。なぜ英語でもドイツ語でもフランス語でもなくイタリア語なのでしょうか。理由はいくつかあります。ローマ字感覚で読めて複雑な発音が少なくとっつきやすいこと、初学者向けの教材が揃っていること、音大の声楽科でもまずはイタリア語から入るので効果が期待できること、日常生活になじみの薄い言葉で意味がよくわからないからこそ発声に集中できること。大きな理由はそのあたりでしょうか。

しかし、私が最も重要視しているのは、尻尾の先まで母音があること、これに尽きます。息を前に出してフレーズの最後まで歌い切ることが苦手な日本人にとって、イタリア語で歌うことはとてもいい訓練になるのです。

日本語はほかの言語と比べて母音の割合が多めです。全部仮名で表記した場合、基本的に一文字に一つの母音が入ります。しかし、語尾はそうでないことが多いです。例えば「ありがとうございます」。母音だけ抜き出すと「aiaouoaiau」。でも最後のuは実際は発音されません。「ありがとうございまs」と語尾は無声音で発音されます。イタリア語だと「grazie」。最後に母音があり、表記通り「グラツィエ」と最後の母音まで発音されます。

日本語でも、関西弁では語尾の母音がきっちり発音される傾向にあります。「ありがとうございますぅー」といった感じで語尾が伸びる傾向すらあります。これはイタリア語の感覚に近いです。

声が小さくてお困りの人、イタリア語はとっつきにくいけど関西弁なら真似できそう、という人は、練習として関西の芸人さんの喋り方を真似してみてください。語尾まできっちり発音することで、声は出やすくなってきます。(♯∂)