ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「NHK for School」(アプリ )

たまたまCMで発見。Eテレで放送された様々な教育番組を無料で視聴することができる。隙間時間で見れるものも多く、大人になった今だからこそ良く作られていることや多くの学びを得られると感じた。ただ受験のために勉強するというよりその学問の具体的(映像等)な面白さを知りながら学べるのは大事な要素だなと思いました。

声や音を考えすぎない

声が出しにくいと感じている人の多くに、どこかで声や音を考えすぎてしまって、体として不自由になってしまっていることが挙げられます。本人としては無自覚な部分があると思うので、なかなか気づきにくい部分ですが、例えば、「今のこの発声であっているのかな」だったり、音域が上がるにつれて「この響きでよいのかな」などという意識が生じた場合、その時点で声を構えやすくしてしまいます。

声を構えてしまうと、ブレスの時点で力みやすくなってしまったり、ブレスの時点で力んでしまいます。ということは、当然、そのあとの発声の段階でも力みが生じてしまい、不自然な状態に陥りやすくなってしまいます。この癖がひどくなってくると、癖を取り除くだけでも相当な努力が必要となってしまいます。

この状態から脱するためには、意識するポイントを、音や声ではなく、体の感覚、視覚的な情報に注力し続けることです。耳の感覚は、自分自身の練習という意味ではほとんど役に立ちません。(情報を取り入れるという意味では役に立ちますが、確認しながら発声するという行為に関しては、意味をなさないどころか、余計な癖をつけるだけで、結果が伴わないと思います。)無意識に行われている部分に関しては、状況を自覚し、改善につなげていくことが必要不可欠なので、大変な取り組みです。しかし、体の感覚が身についてくれば、ぶれ幅が狭まってくると思いますので、自分自身の感覚調整の指標としてはよほど正確だと思います。

 

歌うこと

レッスン後の人の表情を見てみると、とても生き生きとしていたり、来たときよりも帰るときの方がにこやかな表情になっていることが多いと感じます。

自分自身の楽器をしっかり使って声を出そうとすると、結構なエネルギーが要求されます。また、これは体の一部分だけではなく、特に足からお腹あたりにかけて特に大きなエネルギーがかかっていると思います。上半身自体は過度な力が入らないほうが理想ですが、それぞれの仕事を考えると、全身運動のような状態になっていると思います。

たかだか声を出すだけではありますが、体をしっかり使って声を出すというものは疲れる反面、気持ちのいいものです。日頃運動不足と感じている人で、運動するのは億劫と感じているような人には、ぜひ、歌うことをおすすめしたいです。

また、精神的に疲れたな、元気が出ないな、やる気が出ないな、というような人たちは、はじめの一歩として、歌うことにチャレンジしてみると、少し元気になったり、気が楽になることがあると思います。

このように、歌うことというのは、健康維持のためにも結構大事な要素が詰まっていると感じています。歌うことは大変なこともありますが、基本的には楽しいものだと思っています。心身の健康のためにも、ぜひ、歌ってみてください。

まぐまぐ「ヴォイストレーナーの選び方」 第207号

「ヴォイストレーナーの選び方」 第207号を配信しました。

今回のテーマは、「学び方、学ぶ場とことばの力」です。

是非、ご登録ください。 hthttps://www.bvt.co.jp/freemail/

今日のトレーナーのメッセージ

口の奥の空間の確保や、お腹での支えの感じがよりつかめていくと良いですね。
これらの条件が整うと、素晴らしい状態が増えてきました。
曲の練習では、これに加えて片足立ちで練習してみると、より体を使う感覚に慣れていけると思います。(♭Я)

今日のトレーナーのメッセージ

眉上げる、目開く、鼻を横に開く、軟口蓋引っ張り上げてテンションかける、咽頭を緩まさないでピシッと押す、という動きを意識していただきました。この筋肉を緩ませないことがポイントです。後頭部に引っ張り続けることを忘れないようにしましょう。必ず鏡を見て練習することをお勧めします。(♯β)

呼吸

日本人は他の国の人たちと比較すると、呼吸そのものが浅い人が多いように感じます。日本語は口をあまり開けずに喋れてしまう言語です。おとなしく会話をすることが美徳とされ、大きな声で会話をすることはやや嫌厭される傾向にあるので、必然的に呼吸も浅くなりやすいのではないかと思います。

マスクを着用する時間が増えたこと、人込みでの呼吸をなんとなく避けるようになったことで、以前にも増して、少ない呼吸で生活する頻度が増えてしまったように感じます。省エネといえば省エネなのかもしれませんが、充分でない呼吸では声がどんどんやせ細ってしまうような状態になってしまいます。

声を頑張って出そうと思っても、浅いブレスしかとることができなくなってしまうと、胸や肩などが力みだしてしまい、声を出すことが苦しくなってしまいます。

声をしっかり使いたいという目標をもって訓練している人たちにとっては、力まず深くとるブレスというのは必要不可欠ではないかと思います。外出先では、なかなか充分な呼吸をとることは難しい状況ではありますが、家庭内やレッスンの時間など、安心できる場ではできるだけ浅くならないブレスを心掛け、声を出すことに充分対応できるように鍛えていくとよいと思います。

 

観察する力をつける

レーニングの過程では、実際にやってみることはとても大切なことです。観察することもとても大事なことのひとつです。自分で行っていることは、それまでの経験や知識に基づいた範囲ですから、必ずしも、現時点で必要な対処を行っているとは言い切れないからです。

トレーナーが説明したり見本を見せている最中に、同じように出しているつもりになって、自分自身のアウトプットに全神経が集中してしまうという人が中にはいらっしゃいます。説明の意図や違いを観察して本質を捉えようとする取り組まないと、改善にはつながりません。それだけ聞く力、観察する力は大事なことだと思います。

自分自身のレッスンの様子を録音・録画しているなら、そのレッスン内容を聞くことに集中し、何を説明され、どのように取り組んだ結果、どのように変化したのかということを理解していくことが重要です。自分自身の変化になかなか気づけない人の強化した方がよいポイントは、この部分ではないかと思います。