ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

耳を磨く

「声の訓練」と思うと、どうしても自分が声を出す部分のアウトプットの部分にフォーカスが当たりやすくなるのですが、自分自身の耳を養うことも、声を磨くのと同じくらいとても重要なことです。世の中にはありとあらゆるジャンルの音楽があります。歌い手も役者も声優も噺家もたくさんいます。その作品は千差万別、十人十色です。ですので、何がよくて何が悪いという価値観ではなく、それぞれのどの部分にどのような印象を持つかなどという視点で、たくさんのデータを自分の中に持っておくとよいと思います。

やがてそれは、声の印象だけではなく、音楽性や芸術性、表現の研究など、いろいろなことに結びついていくと思います。自分自身の声や表現を変えていくときに、その蓄積されたデータと比較し、自分の目指す方向へ進めるためにはどのような部分を参考にすればよいのかという研究作業が必要になると思います。

レッスンの中で変化を求められることがあったとしても、「求められているのは、例えばこんな感じかな。」などというレスポンスができないと、自分自身の向上の歩みを止めてしまうことにつながりかねません。選り好みせず、たくさんの音楽や声に触れてみてください。それはできるだけ録音ではない「生」のものが理想的だと思います。