ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

価値観の変化への対応

人間としては、見かたや聴きかたを覚えた人でない限り、パッと見たり聞いた感じでの華やかさを選択したくなるのが、通常だと思います。声に関してもこのことは言えると思います。とりあえず高音が出ればいい。力強く出ればいい。ですが、これが聞き手にとって本当に自然な状態かということを疑問に思うことが、トレーニングの課題として大事なものだと思います。それは、自分の価値観の変化を求められるからです。

価値観の変化は自分のなかでの「今までよいと思っていたこと」を変化させることですから、一朝一夕では解決しない問題だと思います。今の自分に合うものがどういうものなのかを理解するためには、自分の立ち位置に近いものがどういうものなのかに出会うことが必要だと思います。そのために、今までよりもたくさんの、さまざまな種類の音楽を聴いたり、歌を聴いたりと、自分のなかでのデータを大きくしていくことをこころがけていくとよいのではないかと思います。

「自分の好きなものだけ」、「よいと思うものだけ」の世界しかとり込まないと、却って、自分の立ち位置がわからなくなることがあります。自分の勉強方法を大事にしつつ、「他はどうなっているのか」や、「こうするとこうなる」ということがわかってくると、自分のなかでケースバイケースでの対応方法が見つけられると思います。