ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

本気で上達したいのであれば

巷には「たった〇〇するだけで上達できる」や、「すぐに上達する〇〇」などといった類の書籍が増えてきましたが、私の感覚からすると、すぐに得たワザというものはすぐに消失するであろうと思います。芸事というのは、時間をかけて、自分自身の感性を研ぎ澄ますこと。発声や音楽的なテクニックや知識を、染み込ませるように身につけること。内容や背景、時に歴史に至るまでの深い読解力や、発音からフレーズの作り方感じ方、そして語り方に至るまでの語学の深い知識を得続けることが必要だと思います。

発声や音楽的なテクニックや知識も、作品に関する知識や語学力・読解力も、得るためには相当な時間を要します。しかし、これらを蔑ろにしては、聞き手の情感に訴えかけるほどの作品は成り立たないと思っています。カップラーメンのような手軽さが当たり前になった昨今、手軽さのないものは嫌われがちですが、手間暇かけて丁寧に作品に向き合うことが、本当の意味での上達に繋がっていくと思います。