ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

インプット・アウトプット

仕事で何か新しい手順を教わるとき、あるいはレッスンを受けるとき、メモを取ることが大いに有効ですが、さらにもう一段進めるお勧めの方法があります。それは「後で人に教えるつもりで説明を聞いておく」ということです。

人の脳は、読む、見る、聞くといったインプット情報だけでは物事を完全に理解できないそうです。ところが、得た情報を説明するというアウトプットが可能になると、理解度は格段に増すというのです。

イギリスの産業革命期に行われた学校教育に「ランカスター方式」と呼ばれる教授法がありました。これは大教室で行う教授法で、まず教師は最前列の生徒達にだけ授業内容を説明し、次にその生徒が列の残りの生徒に説明を行う、というものです。いわば小さな先生を複数作り出し、教師一人で大人数を効率よく教育する手段だったわけです。

もちろん、最前列には元々優秀な生徒達を座らせておくわけですが、授業が進むにつれ、最前列の生徒とその他の生徒の学力差は増すばかりだったようです。最前列だけがアウトプットが可能なレベルになっているのですから、差が広がるのは当然です。

レッスンはインプットの時間ですが、その先のアウトプットを見据えて受けてみてください。誰かに教える予定がなくても構わないのです。後で自分で自分にレッスンするつもりで日々のレッスンを有効活用してみましょう。