ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

口を縦か、力まないで脱力か

どちらも正しいのですが、脱力というのを間違えて受け取るとフォームがうまくいきません。海外の多くの指導者が日本人の顎の硬さを指摘することが多いです。顎を脱力させる必要があるのですが、ただ脱力させると顎の開閉が不十分になってしまうことがあります。発音も不鮮明になります。

特に下あごは下にしっかりと開けていけると喉が開きやすくなりますが、このためには脱力だけではなく、そこまで開けることのできる強さと柔軟さが必要です。 縦に開けるのにも顎に全く力がいらないのではなく、力まずとも顎を開けて唇周辺の筋肉を前に集められる柔軟さが必要となります。

その意味では、人によっては柔軟でありながらフォームを崩さないようにできる口周辺を体得するためには、初期段階では多少の力みも許容する必要があるかもしれません。縦にすることや力まないということよりも、自分がなりたい声になるためにはフォームが重要。そのフォームを構築するためには脱力のみでは、難しい場合があるということでしょうか。

筋肉や関節などの動きがスムーズになり、力んだり意識しなくても自分の理想のフォームまでもっていけるようになると、それは、一般的に脱力できているという状態になっているのだと思います。

そういう意味では人に「脱力して」というのは簡単なのですが、脱力できるところまでトレーニングが必要ということも教える側に必要だと考えています。