ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

顔に力をいれない

ヴォイストレーニングで「マスケラで響かせて」「目の周りで歌う」「頬を持ち上げて」などのアドバイスをされることがあります。これらは基本的にとても大事な要素ですし、多くの指導者が使うワードでしょう。しかし、これを意識して力んではいけません。顔や目の周り、鼻や頬周辺が力んではやっていること、やりたいことがかえってリスクに変化します。

顔の周辺の筋肉が力むと、下あご、舌、舌根、首、喉が固くなりやっていることと反してクオリティが低くなります。実際には笑いや笑顔には喉周辺の筋肉の脱力する作用があり、笑顔であることは喉の脱力を助けてくれます。しかし、笑顔や頬をあげることと響きや音色をせっとで考えすぎると力みが生じやすくなり、脱力を助けてくれるのに真逆の結果が生じます。その意味ではいかに顔に力みをもたせないかということがとても重要です。

口を縦に開ける、唇を前に出すなどのアドバイスも初期は筋肉を動かすため、そういう動きを意識するために多少力んでもやっていいと思いますが、動きに慣れてきたら、それをどう脱力するかを考えてみてください。固めないとその動きができないならば、その固めているエネルギーが本来必要なところにいっていないことも考えられますし、たんなる力みの場合も考えれます。

そして音楽にも歌詞にも表現があります。その音楽、歌詞にそった顔や表情があるはず。音のために笑顔にしかなれないというのは、違うと思っています。そのときに表現にそった顔や表情になれるよう顔の力はフリーであるといいと思います。もしやってみるのが難しいかたは鏡を見て練習してください。不必要に目が開いてないか、閉じてないか、眉間に皺ができていないか、頬がふだんよりも持ち上がっていないか、歌っているときのイメージは歯磨きしているくらいの脱力で充分です。それ以上の力みがこないように、喜怒哀楽を声でも顔でもだせるほうがいいと思います。