どの世界でも脱力の話は多くでてきます。それこそスポーツから芸術の世界まで、日常生活でも「力をぬけ」と言われることもあるでしょう。それは声のトレーニングでも同様です。
脱力ということはパフォーマンスを向上させるために行うのが前提です。共鳴、呼吸、支え、姿勢、声量、音域などのアドバイスは、0~100までのベクトルがあるとするならば100の方へむかうベクトルですが、あくまでも脱力ありきのアドバイスととらえてもいいでしょう。
人によって力む場所もタイミングも違うのですが、レッスンの中で多くの人の力みが強くでる場所は「顔」と「肩+胸」ですね。「肩が上がらないほうがいい」とはいろんなアドバイスで聞くことがあると思いますが、肩が上がる前に胸が硬くなっていたり首が硬くなっていたりすることも多く、結果として肩にまで力みが来てしまっているといった状況をよく見ます。
顔の力みも多くみられます。眉間に皺がよっていたり、不自然に鼻の穴がよくひらいていたり、口に力みがあったりと人それぞれです。顔を笑顔にしたり口角をあげても眉間にしわがよるだけで効果は半減以下になるでしょう。自然な顔で歌えるようになることもとても重要な要素です。
トレーナーはそれぞれの見方でそれぞれのアドバイスをしますが、どれも基本は脱力の中でおこなわれるべきものであると考えていいと思います。(♭Σ)