ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

できることを疑う

一番成長を阻むものは、「自分はできている」という思い込みです。芸事以外は「自分はできる」という思い込みはたぶんいい方向に働くことが多いのでしょう。しかし現実の社会でも「俺は会社の役に立っている」という思い込みが強い人ほど実は使えなかったりするそうで、難しいところなのでしょう。
芸事は自己否定、自己破壊の繰り返しによってのみ成長できるという極めてマゾ的な世界です。どこかで誰かが書いていましたが、芸事は「積み重ね」ではなく「積み減らし」が大切、経験によって増えていくのでなく、経験すればするほどどんどん捨てていかなければならない、とのことです。
勉強が進めば、歌える曲も増えてくる、出せる声も増えてくる、声量も身についてくる。お客さんもつかない、いい評価ももらえない。さてどうするかです。
もう一度基本に戻ってシビアに確認していきましょう。発声、リズム、ハーモニー感、本当にできているか、0.1秒、0.1ヘルツの誤差で正確にできるのか。「自分が本当に何もできない」とわかったところが本当のスタートラインです。(♭∴)