ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「100日後に死ぬワニ 」きくちゆうき (漫画)

Twitterで毎日更新されている4コマ漫画。親しみやすいほんわかしたイラストで主人公のワニおそらく20代前半~半ば、フリーターの男性設定と想像できる)の何気ない日常が描かれる。ちょっといいことがあったり、ついてない日もあったり、ほとんど何も起こらない日もあったり、自分の日常とも重ねられるような何てことのない日々が、「100日後に死ぬ」というタイトルで、全てがその最後の日の伏線のように思え、またどの瞬間も尊いものに思えてしまう。これが「ワニくんの日常」なんてタイトルだったとしたらいったい何人の人の目に止まっただろう。(ツイートには平均7万ほどのいいね!がついており、多いときは15万も。少なくともそれだけの人の心に届いている。)このタイトルおよびコンセプトは作者の発明だと思う。もう4コマで何がかかれても「ああ、このワニは自分の未来をしらないのか」とせつない気持ちになってしまい、彼の最後を見届けずにはいられない。でも考えてみれば、私たちもワニと同じことである。日々、(私は)忘れてしまいがちなこと、「○×日後に死ぬ私」ということ。ワニくんをみるように自分を神の目で見つめると、日々の尊さを思い知ることができる。たかが4コマ漫画と思われるかもしれないが、これはとてもコンセプチュアルな芸術ともいえるかもしれない。(IA)

今日のトレーナーのメッセージ

フレーズごとに指先を遠くへ伸ばしながら歌っていただきました。伸ばし切るのが早くなりがちです。手が伸びきった段階で声も止まっていました。フレーズの最後までかけて指も声も伸ばすつもりで練習して下さい。息の使い方がイメージしやすくなります。(♯∂

今日のトレーナーのメッセージ

今日は共鳴、母音、子音について
共鳴について興味をもち、どこで響くか実験してみてください
また、母音の発音、舌の位置など再確認して
まずいい母音の発声を心がけましょう
子音に入りましたので舌の使い方、など注意していきましょう(♭Ц

今日のトレーナーのメッセージ

胸の力がうまく受けているため、声が低い方に響いてとてもいい傾向だと思いました。どうぞ今日のメニューを自主練してみてください。息を前に吐いて声も前に響かせていきましょう。(♯β

今日のトレーナーのメッセージ

ブレスの時点で、お相撲さんになったように自分の体が大きくなったイメージを大事に、そして、その体をキープしながらセリフのようなイメージで発音できると、素晴らしい声が増えてきました。その際、口の空間はつぶれないことと、口を動かしすぎないようにすると、なお理想的です。
発声面では、この部分を大事にしていきましょう。(♭Ξ)

今日のトレーナーのメッセージ

歌詞が一文が長いので、音読して意味が伝わるように。今日は勢いがある歌唱でよかったです。音感の良さを生かすように。できるだけ体を動かさないで歌えるようにしてください。(♭∴)

夏目漱石とドストエフスキー

音読教材として、夏目漱石を使っています。理想的な日本語とされているし、古風な表現がおもしろいからです。レッスンでは15分くらい音読してもらい、聞き取りにくかったところ、わかりにくかったところを指摘していきます。量をこなす教材として、どんどん進めてもらっています。コツは、細かいことを気にせず、でもできるだけ間違わずに初見で、大き目な声ではっきりと音読していくことです。

さて、夏目漱石に「こころ」という小説があります。一部分が高校の教科書にも取り上げられているため、ご存じの人も多いと思います。「わたし」は実の父の死と、尊敬する先生の自殺という二つの死にほぼ同時に直面することになります。この場面の音読を聴いていて、思い当たったことがあります。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」です。カラマーゾフは主人公の名字で、一家の父親の殺人事件がテーマです。そして主人公の一人である三男のアリョーシャは事件の直前まで修道院で修業をしていて、心から尊敬している精神的な父というべきゾシマ長老の(老衰による)死にも直面します。なんとそっくりではありませんか。「こころ」の主人公は、実の父の自然死と、精神的な父の自殺。「カラマーゾフ」の主人公は、実の父の他殺と、精神的な父の自然死。しかも、「こころ」の先生は、若いころの恋愛事件で友人を失い、「カラマーゾフ」の長老も、若いころ恋愛事件で決闘事件を起こしています。どちらも、現在の「倫理的な」立場や振る舞いからするとかなり唐突な印象を受けます。

私は専門家ではないため、ドストエフスキー夏目漱石に影響を与えているというのはもしかしたら常識なのかもしれませんが(たぶん逆ではないでしょうから)、たまたまの一致かもしれませんが、意外な気がしました。ドストエフスキーは、実の父を殺されており、自身も死刑囚となったこともあり、かなりドラマチックな人生、賭博癖、てんかん発作、ロリコン夏目漱石は、癇癪もちだったとのことではありますが、まじめな元大学教授、相撲好き、落語好き、奥さん一筋の愛すべきおじさん。かなり違うタイプの作家だと思っていたからです。

この二つの本が気になるのも、私が年を取ったということでしょうか。(♭∴)

 

今日のトレーナーのメッセージ

練習曲が決まるまで、しばらく日本歌曲を歌っていきましょう!歌詞の母音は歌舞伎役者のようにつなげて歌います。
引き続き母音を繋げて歌うこと、口腔内の空間の維持など。効率的に歌う技術を活かしてやりましょう!
(♯Δ)

今日のトレーナーのメッセージ

「ザ・マ」行は、子音Zをしっかり捉える(=身を踏ん張る)ことが良く実践できていました。子音Zの後だと、息が流れているので朗読の声もすぐに整っています。(♯α)