ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「さくら」西加奈子(本)

主人公は5人家族の次男。優しい両親と人気者の兄と美人だが性格に難あり、の妹。一見幸せそうだが、それぞれが生きづらさを抱えている。そして家族全員の癒しになっている愛犬サクラ。

兄の死、妹の引きこもり、母のアルコール依存、父の失踪と家族が崩壊しそうになるが、サクラが支えてくれる。

この物語の主題は世の中に馴染めない人、世界の片隅に追いやられている人だと思う。

家族が世界の片隅に追いやられそうなとき、サクラを介して生きる場所を見つけている。

物語の最後の言葉「僕らのボールを今か今かと待っている誰かがいる。どんな悪送球でも、ばっちり受け止めてしまう、大きくて暖かで、かけねのない何かがいる。」という言葉が心に響きました。