ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「マシンRS-1」

最近、1/8スケールの自動車の模型を1台完成させました。

40年ほど前に絶大な人気を誇った、故・渡哲也さん主演の「西部警察Ⅲ」に登場した車両で、日産スカイラインを改造した「マシンRS-1」という車両です。

この「マシンRS-1」は同車種のスカイラインを改造した「マシンRS-2」(情報収集車両)、「マシンRS-3」(情報分析車両)とチーム「RS軍団」を組み、チームの戦闘・指揮車両として活躍した車両で、ステアリングを握っていたのは勿論、渡さん扮する大門団長でした。

車内運転席の隣には大掛かりな情報分析用コンピューターユニット、屋根には2連装機関銃、後部右下の排気管には火炎噴射で急加速を可能にする「アフターバーナー」など、普通車輌では勿論、警察車両にさえあり得ない設備が搭載されている、とんでもない代物です。

模型パーツはフランスの出版社の日本法人アシェット・コレクションズ・ジャパンの分冊百科シリーズに仕込まれた形で、2021年2月から週1回ペースで発売されました。

従いまして工期は約2年、費用は約20万円掛かりました。

パーツと同梱された冊子の組立説明書に従えば誰でも作れるシステムになってはいますが、完成するまでには紆余曲折が多々ありました。

説明書が解り難くて立ち往生したり、説明書のように簡単に組み上がらず疲れ果てたり、明らかに組立手順を変えた方が良いと思われる箇所があったり、酷いときには説明書通りに部品が揃っていない「欠品不良」に遭遇して製作がストップしたりしました。

しかし、思えばそれらのトラブルの中でも、工程の意味を考える想像力、組み難い工程を少しでも楽に組み上げるための解決力、不良発生時に発売元へ問い合わせするときの交渉力など、今までの自分にはほとんどなかった能力が、この2年間で相当鍛えられたと思います。

自分でも驚くのは、途中で諦めず完成までやり遂げたことです。

この模型はラジコンカーのような走行はできませんが、屋根のパトライトや前後のランプなどの灯火類の点灯、前述のコンピューターユニットの照明、2連装機関銃の上下動と発砲(爆音付)など、本物そっくりのアクションを再現できるのが特徴であり、積み重ねてきた全ての工程もアクションを楽しむためだったのです。

最後に操作用リモコンを完成させて乾電池を挿入し、動作テストを実施した結果、全てのアクションが正常に動作できました。

こうして2年間の努力と苦労は報われましたが、今回製作した模型に限らず、一つの感動的な成果を出すためには夥しい数の地味で楽しみよりも苦しみの多いプロセスの積み重ねが必要なのだと気付かされました。