ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

基礎の部分を習っている人に心がけなければならないこと

基礎の練習とは、その人の実情に合わせて、今、最も必要なことを練習することです。これはトレーナーの判断力が必要です。声がどの程度出ているのか、声の重心は安定しているのか、息は吸えているのか、また、吐けているのか、声と体が連携できているのか、などなど。それによってメニュは異なります。最近、生徒さんを見ていると、声がまだ浅い生徒さん(大きな声を出す機会があまりない人は、ほとんどがこのような人です)のほとんどは、必要にして十分なブレスを吸えていない状態というのが、パターンとして多く当てはまります。このような生徒さんをどのように伸ばすかという部分で色々なメソッドがあると思いますが、「十分な息を吸えるようになる」という課題をクリアーする前に、「吸い方」にこだわってしまうことが多いように感じます。具体的に言うと、「口から吸うことは絶対にダメで、鼻から吸うことが正解」というものです。前述のような状態の生徒さんで「鼻から吸いなさい」と教わってきた人のほとんどが、浅いブレスになっているか、声を出したときに鼻声になりやすくなっているのです。それでは根本的な問題が解決せず、本末転倒になってしまうと思います。私の場合、他のトレーナーに長くついている生徒さんであれば、そのトレーナーに教わったやり方を踏襲させ、その上で伸ばすことを心がけることもあります。個人の実情に合わせて柔軟に対応していくことが、トレーナーとして最も重要なことであると思います。(♭Я)