上中下巻からなる長編。勉強もスポーツもそれなりに出来、ルックスも良く女性にモテる主人公は学生生活をエンジョイしていたが、その裏では幼い頃から両親の離婚や引きこもりの姉に翻弄されていた。自分は勝ち組だと思っていたが、いつしか仕事がなくなり、彼女に裏切られどうにもならなくなる。結局、再生の道に引っ張ってくれたのは、散々自分を悩ませた姉の言葉「自分の信じるものほ他人に決めさせてはいけない」だったことが印象的でした。長い物語のなかでは様々な人との出会いがあり、その一つ一つが主人公の心の栄養となり、人と比べることで自分の価値を測る生き方の虚しさに気づくところにグッとくるものがありました。