ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「日産自動車における品質ばらつき抑制手法 QVCプロセス」大島恵・奈良敢也・共著

品質改善の企業戦略についての書籍です。

2005年に日産自動車が本格的に品質改善活動を開始したところ、それまで個々の品質問題の改善活動は短期決戦的あるいは対処療法的であり、その時の経験が単なる過去のもの(いわゆる「過去トラ」)で終わったまま活用されていないことが解り、過去の問題解決手法を今後の「再発防止策」に繋げられるような仕組みづくりや基本的な活動手順構築を始めたといいます。

さらに、既発の品質問題の再発防止を発展させて「想定できる『未発』の品質問題の未然防止」にまで活動を拡大させてゆきました。

特に既発の品質問題は重篤性の大きい順に「慢性化不具合」、「重大不具合」、「品質ばらつき」に分けられ、それぞれの再発防止手順も決められました。

その中の「品質ばらつき」を、市場で「慢性化不具合」や「重大不具合」に発展させる前に、開発段階で解決するために考案、採用された手法を「QVCプロセス」と言います。

本書を読み始めた先月下旬から、図らずも我が家では家庭内における「重大不具合」が頻発しました。

水道管老朽化による漏水、スマホ充電器の故障、インターネットの接続不具合。

さっそく本書に記載の「重大不具合の再発防止プロセス」を応用し、不具合の影響、不具合の原因、講じた対策、得られた結果、学んだこと、今後「やらねばならないこと」と「やってははならないこと」などが整理できました。

特に、問題の前兆らしき不審な現象が見られたら先送りせずに早めに手を打つことの重要性を、身に染みて痛感しました。

本書は勿論企業の品質管理や経営品質を考える上で役立ちますが、家庭生活も「家庭経営」という経営の一つと考えた場合、本書が役立つことに気付きました。

企業も家庭も毎日が様々な課題、問題との闘いです。

本書は実際に現場で活躍された技術者の方々が執筆されただけあって、実践的な闘い方を解り易く示唆してくれる一冊です。