ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

他人と競い合う

大勢と何かをしようとする中で、少しでも自分が優位に立ちたいと思う人がいると思います。それは、受験や競技では必要なことだと思います。しかし、芸術でもその精神を貫くことがよいのかという質問を受けたなら、私は必ずしもこの考えに賛同はできないと思います。

誰かに負けたくないという気持ちはとても大事なことです。練習やレッスンなど努力するべきところでは、この気持ちを大事に、自分自身を高めていってほしいと思います。

しかし、競い合う内容は、自分自身の芸術を高めるという内容であってほしいのです。自分の方が優れていると見せたいという自惚れ精神で競わないでほしいです。そのような気持ちがあるのであれば、それは、本当に自分自身の芸術と向き合っているとは言い切れないと思います。

自分の芸術を高めるという行為は、終わりなき孤高の旅です。コンペティターは他者ではなく自分自身です。常に今の自分と向き合い、日々それを乗り越えていけるように努力することです。他者と競うことではなく、自分自身と競い合うこと、それこそが芸術なのではないかと思います。