ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「ライオンのおやつ」小川糸

2020年度本屋大賞第二位の小説。読み始めて一気に世界へ引き込まれた。レモン島にある、海の見えるホスピス「ライオンの家」で、人生の最期を迎えようとやって来た33歳の女性が、島に来てから本来の自分自身を取り戻していく。本当はどうしたいの?という問いかけは、今の私にも強く響く。付き合いで笑ったり、相手をほめてみたり、いわゆる人間関係を円滑にする術は、生きていく上で大事だけれど、それを「なんだかなぁ」と感じている自分が確かにいる。歳を取っていくごとに、そういう、お付きあい仕草から少しずつ、遠ざかって、偏屈な人になりたいなと、ぼんやり思った。(KR)