「声」に関して「パフォーマー」として、自分のベストコンディションを長年にわたって維持し続けようと思うと、日々のメンテナンスを「おざなりにしないこと」が重要になってくると思います。今まで何の意識もなく使ってきた「声」というものを、「よりよくしたい」「よい状態を維持し続けたい」というのは、今までの自分自身の感覚に異を唱えることであり、絶えずその違和感と闘わなくてはなりません。
仮に数か月レッスンを受けて、一時的に改善された状態になったとしても、そのあと、自分一人の力でその状態を一生涯維持し続けるというのは、並大抵なことではありません。むしろ崩壊していくのが自然な流れだと思います。自動車や鉄道が、ある時期を境に定期点検を行わない状態で走行していたらどうなるか想像してみましょう。壊れる前に修繕が必要な部分へのメンテナンスを行えない状態ですから、基本となる「走る・曲がる・止まる」に異常をきたす恐れがあることはもちろん、それ以外のトラブルも考えられます。
声に関しても、これと同じように、自己流になって気づかないうちに崩壊していくということを避けるためにも、日々のメンテナンスとして、定期的にレッスンへ通うことはとても重要だと思います。私自身も、レッスンへ通うことは、パフォーマーとしての自分自身を維持する上での生命線だと思っています。
