メニュとは、一つの型ですから、繰り返して、何かを身につけていくために使います。そこには元より説明できるものは、さほどありません。ノウハウとしてのメニュをたくさん集めても仕方ないでしょう。一つの型を材料としてどれだけ使えるか、そのために判断力を高める基準づくりに重点をおきましょう。
多くの人が期待しているような、絶対に正しい方法や、魔法のような万能のメニュはないのです。あるとしたら、心身を目一杯使って元気に取り組むということでしょうか。
自己表現の結実である歌でさえ、一つの型の表れにすぎないといえなくもありません。型に人は惹かれ、ファンは魅了されるのですが、その型を忘れさせるレベルを目指して欲しいものです。
私の示す、わけのわからないものにどう対処するか、どう対処できる能力をつけていくのか、でしょう。その力を養うのが、実践に通用するレッスンです。そこでしぜんにこなせていれば、こなせるようになっていけばよいのです。
そんな疑問ばかり出る人は、うまくいかないものです。出し尽くして忘れましょう。考えてはいけないのです。考えてしまうなら考えましょう。これは、そのためのアドバイスです。思うように歌えないことが多いのです。レッスンでは、疑うことよりもイメージを大きくすることです。
誰にもできないのではありません。誰でもできるのがメニュです。しかし、できたようでいても、できる人からみたら、まだまだできていないのです。ふしぜんなままなのです。