私自身は最初に師事した指導者に「姿勢は胸を高く、その高さを歌っているときに変えないように」とアドバイスされました。これ自体はおそらく特に問題ないアドバイスだったのですが、それをしっかりと守っていてもある時から私は歌っているときに腰がそりやすくなってしまいました。お尻が外に出やすいといってもいいかもしれません。結果として上半身の土台となるべき腰が力みやすくなり、その土台の上にある使うべき体が力みやすくなってしまいました。
垂直にまっすぐ立つ姿勢というのもすべてがプラスとも言えません。膝をまっすぐと固定してしまうような姿勢をとってしまうときは体の自由な動きを妨害してしまいます。
体をすべての土台である足の裏と上半身の土台である腰をつなぐ筋肉が膝にはあるので、膝周辺が固まっていると体全体の力みへとつながることも多いのです。
そう考えるとよい姿勢とは「垂直にまっすぐと立った姿勢ではなく、自由に体を扱える力みのない姿勢」ではないでしょうか。自由な体から、自由な呼吸がうまれ、コントロールのきく声になっていくのだと考えます。
(♭Я)