ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

完全な暗闇の中で過ごしたことはありますか。真夜中でも都会は外は灯りでいっぱいですし、田舎でも星や月の微かな明るさがあるので、完全な暗闇というのは現代人にとっては縁遠いものかもしれません。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、照度ゼロの暗闇の中で数人で過ごし、視ること以外の感覚で物事をとらえる体験ができるプログラムです。1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、世界各地で開催されており、都内にも最近、新しい施設がオープンしました。早速参加してきましたのでご紹介したいところですが、詳しい内容はこれから体験する方の楽しみを奪わないよう、あえて伏せます。暗闇で動き回る経験のない参加者をフォローするのは、視覚障碍のあるアテンダーです。彼らにとって日常である「視えない」という状態で、参加者がどう動き、どう感じるのか。

一説によると、視覚というのは脳のリソースの80%以上を占めているそうです。視覚の莫大な情報量は他の感覚(聴覚、触覚、嗅覚等)を鈍らせます。数時間を完全な暗闇の中で他人と過ごすことによって、他の感覚がどう開けるのか。暗闇の中で自分自身と他者との対話をじっくりと行う貴重な体験でした。(♯∂)