ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

気持ちを解放させる

日本人と欧米人とを比べて、日本人が苦手とする部分は「わかりやすい感情でリアクションをとる」ということではないでしょうか。日本の文化というのは「察する文化」。すなわち、言葉にしなくても、以心伝心で相手の気持ちを読み、過度な表現を嫌う文化ですので、オーバーなリアクションをとったり、その表現をするということは、美徳とされない風潮があります。「間」の文化もありますから、相手との適度な距離感を保とうとするのも、日本人に根付いた文化と言えると思います。これらは、日常生活では大切なことであり、間の取り方も察する能力も、コミュニケーションとしては欠かせない部分であると思います。

しかしながら、表現者とした場合、聞き手や観客を相手に、感情を伝えるという作業は、これらの察する表現だけでは難しい部分があります。誰が見ても、誰が聞いても、そのセリフや歌の感情が見えるという状態に持っていくためには、日常よりもデフォルメする作業がどうしても必要なのです。

察する文化で育ってきた我々にとっては、気持ちを解放するような作業はどうしても苦手な分野だと思いますが、この辺りは、欧米人のような素直なリアクションを心掛けてみると、やりやすくなると思います。表現者としては、気持ちを解放させ、わかりやすく相手に伝えるという訓練も必要だと思います。(♭Я)