ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

本を読もう

役者は、自分が演じるものの原作・映画の原作などを読むことも多いかと思います。音楽関係の人も、豊かなイメージや情景を表現するのにいろいろなストーリーを知っていたほうが絶対に有利です。つまり、表現者にとって読書をしない理由はありません。よって独断と偏見で「アーティストが読むべき古典」を挙げてみます。

まず日本人として、夏目漱石森鴎外は全集で全作品を読みましょう。(文庫版全集が出ていてお手頃価格です。)難しそう、という人は、夏目漱石の「二百十日」という作品を読んでみてください。お腹を抱えて笑います。「吾輩は猫である」にしても、その書き出し「吾輩は猫である。名前はまだない。」考えるとかなりおもしろいと思いませんか。試しに5歳くらいの子供が「吾輩はヒトである。名前はまだない。」と言ったとしたら、突っ込みどころが満載ですよね。一人称が「吾輩」って笑。夏目漱石は言葉の使い方が、よく考えるとおもしろいところが多いです。

森鴎外の日本語は教養にあふれていてまた別の意味で日本語のよさを味わえます、ぜひ音読してみてください。続いて芥川龍之介。この人に関しては全作品を必ずしも読むべきだと思いません。とくに晩年の作品「歯車」などはかなり病んでいて、必ずしも触れる必要はないでしょう。でも、「六の宮の姫君」「玄鶴山房」は是非読んでみてください。

続いて堀辰雄。「風立ちぬ」で有名です。それだけでなく全集を読むべきだと思います。芥川龍之介の弟子で正当な後継ぎです。生涯を結核との戦いで過ごしますが、芥川と逆に強靭な生命力を感じさせる意外に骨太な作家です。東京大学文学部卒業論文芥川龍之介論」に子弟のきずなを感じます。

詩が好きな人は立原道造を読んでみてください。堀辰雄の弟子にあたる人です。(♭∴)