ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

細かいことを悩まない

レッスンで質問を受けます。中にはこちらがはっとさせられる質問もありますが、たいていは今それを悩んでもしょうがないのでは、というようなものです。答えようのないのは「自分は(腹式呼吸などが)できていますか。」というようなもの。芸事の世界に完璧はないのです。

トレーナーも少し先を行っているだけで、修行中であることに変わりはありません。何かが完璧にできることはないし、簡単にできるようなことは人の心を動かしません。

スポーツがなぜ人を感動させるか。「簡単にはできない」からです。機械の力をつかえば、100メートル走も、相撲も、人の負けです。(話がそれますが、AIと人類の共生を考えると、実はAIが「できる」ことに仕事が奪われるのではなく、人に「してほしい」仕事が残るということです。看護、清掃、警備の仕事はなくならないでしょう。)

スポーツはそもそも全く無意味です。でも人が頑張って無意味なことに挑戦してできるようにするから意味があるのです。しかも芸事は、意味があるものです。たった一回の本番で人の人生を変えるほどの力があるのです。すぐにできなくてあたりまえです。悩まずにやれ、ということです。(♭∴)