ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「ピアニストが語る」(現在4巻まで日本語訳が出版中)チャオ・ユアンプー著

愛読しています。ゴールデンウィーク明けに第4巻が出ました。若手の音楽学者である著者が、世界中の著名なピアニスト、そんなに著名ではないが知る人ぞ知る実力派ピアニストと対談した本です。

私は常々、音楽は一つだと思っています。だからヴォーカルだけでなく、ヴァイオリニスト、指揮者、ピアニストの自伝やインタヴューをよく読むことにしています。そのような本はたくさん出版されているので、片っ端から読んでください。音楽家の楽しさ、つらさ、背負っているものの大きさに心打たれると思います。その中でも特に本シリーズは群を抜いてよいです。その理由は、インタヴュアーである著者がとても音楽を愛し、現代の状況の危機を感じ、また的確で広い知識を持っているように思われるからです。

このようなインタヴューの本ではよく、音大卒業生などからすると「ばかな質問」ばかりして一流の演奏家の気分を害しているように思われるものもあります。しかし本書の著者は、決して表面的な同調だけをしているわけでもなく、場合によってはかなり踏み込んだ反対意見を述べているにもかかわらず、対談相手のピアニストはかなり心を開いて、音楽と人生の深い部分を語ってくれています。(♭∴)