ヴォイストレーナーが指導するときに決まり文句のように眉間に皺をよせない、姿勢、肩を上げないなどの話が出てきます。これは正しいです。しかし絶対でしょうか。私はこれまで、歌い手としてだけでなく、指導者としてのスキルをあげるために多くの本や参考書を調べ、日本人、イタリア人、アメリカ人、ドイツ人などの指導を直接受けてきましたが、その時に是としたのものが、別の指導者のもとでは非となることを多く見てきました。
たとえば眉間に皺をよせないというのは常套句のように出てきますが、だめなのは眉間に皺が寄ることではないのです。なぜ眉間に皺がよるかを考えなければいけません。
顔周辺に声を集めすぎて力んでいる、響きを意識しすぎて喉を狭くして結果眉間に力が入っているなど理由はありますが、眉間の皺ということだけでいうならば三大テノールは三人とも眉間にに皺がよります。喉が開いていれば眉間の皺など、見た目の問題だけで音だけなら特に問題ありません。問題は指導者が喉が開いていないことを眉間だけのせいにして根本を改善しないことです。喉が開いていないから顔に力がいくことを考える必要があります。体の力みは体が力むからではなく指導者に言われたことを生徒なりに必死にやった結果力んでいることがあるかもしれないということをいつも考えていく必要があると思っています。(♭Σ)