ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

NHKの「のど自慢」を観ていて思ったこと

先日、たまたま時間があったので、何年かぶりに「のど自慢」をテレビで観ました。「のど自慢」とは、日曜日のお昼にNHKで放送されている、言わずと知れた国民的長寿番組です。幅広い年代の素人さんが歌うことでおなじみですね。それを観ていて、思うことがいくつかありました。曲云々よりも、年代によって「歌い方の癖」というのがあるのです。例えば、60代以上のような方は、音程が狂おうが声が多少おかしくなろうが、自分の声で勝負している。鐘を鳴らすことよりも、自分の声と自分の歌で歌うことを心がけているように感じました。本物に似せようという人もいるのかもしれませんが、それよりも、その人から生み出される音楽のエネルギーが伝わってきました。それに対して、10~30代の人は、「いかに本物っぽく歌うか」ということに主眼を置いているように感じ、聴いていて若干不自然さを感じました。変にコントロールされてしまい、今歌っている素人さんにしか歌えない歌にはなっていないのです。誰かの型に積極的にはまろうとしていて、はまれなくて、仮に音程はずしてでも伝えるエネルギーというのも無くて、結局中途半端な感じになっている。オリジナリティがないように聴こえまました。プロじゃないからいいのかもしれないけれど。
でも、それって日常生活にも出ると思うんです。「もっと勝負しようぜ若者よ!」と敢えて同世代に言いたくなりました。似せることが全てではないのです。そこに行っても客の心は響きません。どんな声になろうと、自分にしか歌えない歌、自分にしか作れない世界を創造しましょう!(♭Я)