ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

ここ20年で変わったこと

この約20年間で、世の中は大きく変わりました。 一番変わったのは、オートメーション化がより一層進み、直接、人と接するような機会が減ってきました。 例えば、スーパーマーケットの進出と個人商店の衰退。昔は野菜や果物は八百屋へ、魚は魚屋へ、肉は肉屋へ等々、それぞれのお店に出向いて買い物をし、そこでのコミュニケーションもありました。「いいものが入ってるよ」とか、「おまけしとくね」とか。そんな商人と客の人間同士の付き合いというものがあって成り立っている社会でした。ところが、今は、ほとんどの品物をスーパーマーケット等でそろえてしまいます。スーパーでもお馴染みさん同士の付き合いはあるでしょうが、昔ほどの人付き合いをベースにした社会ではなくなりつつあります。「早くて安くて便利」というのが最も重要視されるようになってきました。 つまり、仲の良い者同士ではない人と人とのダイレクトなコミュニケーションの場が、失われつつあるのです。 これはネット(SNS)やメールでも同じことがいえると思います。 昨今は、電車の車内放送も自動放送主体になってきました。 つまり、我々は「会話」という行動を、無意識の内に以前よりもとらなくなってきたのです。つまり、「声」そのものの使用頻度が減ってきている人が多くなっていると思います。 世の中はどんどん便利な方向に進んで行きますが、どこかで失われてしまうものもあるように感じます。 「会話」を軸にしたコミュニケーションというのは、最も人間らしい部分だと、私は思います。 人と直につながれる場をより多く持つこと、これは己の声とメンタルのバランスを整えるのに欠かせないことだと思います。(♭Я)