02)トレーナーアドバイス
芸を極めていくことは、勉強と修練の連続だと思います。しかし、その中で「楽しみ」や「生き甲斐」のような感覚を大事にしながらでなければ、勉強も修練も継続することは困難になります。その結果、芸を極めるという道から逸脱してしまうと思います。 うまく…
機械や乗り物などを安全に長く使っていくためには、日々のメンテナンスが欠かせません。乗り物では、法律で定められた点検・整備というものが、一定の周期で行われなければなりません。車両や機材も、インフラの部分も、こまめな点検を行い、交換すべき部品…
世の中の情報の中には、自分にとって必要となるものもあれば、自分には必要のないものもあると思います。それらの選別が自分自身でできる分野であれば楽なのですが、わかりにくい分野では取捨選択が難しくなると思います。 自分自身で判断するためには、たく…
安くて便利を追求したサービスが世の中にあふれるようになった今、継続してじっくりと自分の課題と向き合うということは、以前よりも難しくなっているのかもしれません。提供する商品やサービスの中で、早くて安くて便利を優先して、それなりに満足度を得ら…
皆さんは、歌をどういう順番で練習していますか。カラオケで歌を覚えて、何回か通して歌いますか。私は、まず「歌詞を読む」ことをすすめます。歌を聞くよりも先に、歌詞を歌詞として覚えてしまうのです。先にメロディを覚えてしまうと、表現が「オリジナル…
近年は、ありとあらゆる分野でさまざまな情報が飛び交い、人が情報に振り回されるようなことも多くなってきたように感じます。膨大な情報を処理するためには、すべてを鵜呑みにするのではなく、取捨選択する力を鍛えていく必要があります。 内容をしっかり分…
何かを得ようとしたり、上達したいという希望を叶えるために欠かせなくなってくるのが、自分自身とどのように向き合うかということです。スポーツや芸術の世界でも勉強や仕事でも、あらゆることに共通していると思います。結果を出す人というのは自分自身と…
レッスンやトレーニングを行えば行うほど、大きなものから小さなものまで、いろいろな課題が見えてくると思います。理想はすべての課題を克服することだと思いますが、慣れないうちからすべてを一気に改善しようと思っても、なかなかうまくできないでしょう…
俳優、声優、オペラ歌手などは、「演じる」ということを行っています。あまり経験のない人にとっては、「演じよう」とした結果、不自然なアクションになってしまいがちです。そこで、「演じる」ということについて考えてみたいと思います。日本語では「演じ…
誰しもが、上手になりたいから一所懸命練習するし、レッスンに通って改善のヒントを得ようとするのだと思います。上手になりたいという気持ちは、向上心という意味で必要不可欠なものだと思います。しかし、上手になりたいという思いを持っていれば、必ず上…
ほかに、本物に直接触れられるものとして、文学作品が挙げられます。役者さんなら、自分の演ずる台本を書いた作家の別の作品を当然読みたくなったりするでしょう。またそれに関連する大作家の作品も読むかもしれません。そうすることで、文学全体に興味を持…
仲間内で群れていてはビッグになれません。独りになって、一流に触れに行きましょう。自分の専門に近い憧れのヴォーカリスト、役者さん、声優さんを見たり聞いたりするのかと言われれば、まあそうなのですが、自分のフィールドだけ見ても器が広がりません。…
バランスをとるのが何より大切です。音量のバランス、感情過多とそっけなさ。中国や日本などの東洋文化圏でも「中庸」が最も高い徳としてその習得が学習の最終段階におかれました。 極端にポジティヴ側に揺れているのが20世紀的と言えます。「明るいほうがい…
うちでは子供が大声で歌いながら走り回っています。保育園にいって、他の子供たちも含めてみてみると、やはりパワーに圧倒されますが、それよりも子供たちの歌のうまさに驚きます。素直に声は出ているし、音痴な人はいません。2つの理由が考えられます。1つ…
同じレッスンを受けていく中で、どんどん成長していく人と、なかなか成長していかない人がいたとしたら、その差となっているものについて、皆さんは何が原因だと思いますか。もちろんメソッドの相性や本人の練習量なども関係してくると思いますが、それ以上…
同調圧力の強い日本では、「空気を読む」「空気に沿う」ことが求められます。別に自分の仕事は終わったのに、みんながまだ仕事をしているので何となく残業する。行きたくない飲み会なのに、なんとなくみんなが行くからなんとなく行く。日本の労働効率の悪さ…
ヴォイストレーニングというのは、スポーツやさまざまな実験のようなものに似ているように感じます。巷には、ありとあらゆる観点で書かれた「声」に関する書物や情報、そして十人十色のメソッドを持った指導者がいますが、ヴォイストレーニングを受ける側の…
最近はさまざまな書籍、ブログ、YouTubeなどにおいて、声や発声に関する内容を取り上げたものが増えてきました。専門的な内容から、さまざまなジャンル、さまざまな見地で書かれているものまで、幅広いラインナップになってきているように思いますが、はたし…
レッスンを受ける中で大切だと思うことは、絶えず続けていくことと結果を得ることを焦らないことだと思います。新しい課題というのは、自分の中になかった感覚を身につけていく作業なので、変化に気づけるようになることも、その技術を身につけていくことも…
「レッスン前提出シート」というものを用意しています。このシートを是非活用してほしいです。レッスンを有効活用するためには、現状の悩みや、クライアントが練習していること、取り組んでいる課題、できていると思っていることなどがこちらに一目みるだけ…
ヴォイストレーニングの本などには、一日15分と書いてあったり、長い時間のトレーニングは厳禁というようなことも書いてあります。喉を傷めたり、疲れさせないためであったり、変な癖をつけないためということもあります。これらは指導している身としても歌…
ある人に1年以上同じことを続けてもらってきました。それは「息を吸う」「広がった体をキープ」「お腹から出す」の3つだけです。結果的に高音に悩んでいたのに、明らかに高音がのびました。それも充実した声で。 基礎力の強化というのは結果的に音域の拡充に…
もし発声で悩んでしまったら歌わないでおくのも一つの方法かもしれません。私の場合はとりあえず毎日同じように、同じメニュをこなすことをしています。調子がいい日も悪い日も同じメニュをこなしています。ほぼ毎日です。これをやらずにいきなり歌うと調子…
声のトレーニングの基礎は支えだと考えています。声楽家の場合、基礎が共鳴になってしまうことがあるのですが、共鳴をトレーニングしたとしても支えとのバランスがうまくいかないと薄い声になってしまいます。イタリア人は支えのない声をvoce bianca(ヴォー…
なかなか努力も続かないし、今やっている方向性があっているか気になることがあります。もういやだ、やめよう、と思ったまさにそのとき、思いがけないときにできないことができるようになることがあります。 夏目漱石は大学時代の留年を機に「俺は才能がない…
上達していく過程としては、レッスンであぶりだされた問題点を、自分なりに努力して次のレッスンに繋げるということを繰り返し行うことが重要だと感じています。レッスン内であぶりだされた問題点は、短期的に解決できる内容もあれば、長期的に改善のための…
ヴォイストレーニングでよく使われることばの一つがパッサッジョです。声の切り替わりの場所のことで、ここをしっかりと行うことはとても重要な訓練の一つです。ここの音域(人によって違う)の訓練がしっかりと行われると高音域が出しやすくなったり、音域…
皆さんはレッスン中にメモを取っていますか? 録音するのでメモは取らないという人、あるいはレッスンのテンポが速すぎてメモする暇がないという人も多いと思いますが、私は少しでもメモを取ることを推奨します。 文豪ゲーテは「言語化されなかった思考は、…
私は、声のトレーニングにおいて、もっとも大切なことは、継続であると思っています。声というのは目に見えないものですし、生まれてからこれまでの人生で無意識のうちに使ってきたので、変化させていくのは、実に大変な作業になります。人間というのは、慣…
コロナ禍となり、1年半が経過しようとしています。この間、マスク着用が常態化し、会話などの機会も随分と減りました。こうなると、どうしても衰えてくるものが「声」です。もともと日本人の声というのは、欧米人に比べるとか細いのが特徴ですが、それに加…