ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声にも地力が必要

現状の日本のポップスの世界では柔らかい、ソフトな声が好まれる傾向にあります。息が多く混ざった声もそうです。売れる観点でいくと現代の嗜好に合わせ、ニーズがあるのですから誰も否定できません。作る側からすると売れるものを作りたいに決まっています。
しかし、突然80年代のファッションが流行ったり、古民家風が流行ったりするのと同じに、声も音楽もいつどうなるわかりません。声にも地力というものがあり、それは年代やジャンルに左右されづらいものです。地力がある人はどの方向へいってもある程度のものを提供します。それは呼気圧の強さだったり、支えの強さ、声の深さ、大きさなど様々です。
才能があり喉が器用な人は柔らかく歌ったりソフトに歌っても作品になります。しかし、皆が同じ方向へいくとかならず振り子の原理で全く逆のことをよしとする人たちも出てくるでしょう。
カール・ゴッチビル・ロビンソンというプロレスラーをご存知でしょうか。アントニオ猪木さん、高山善廣さんなどを育てたプロレスラーです。彼らの教えを見ていると、テコの原理やいろんな理論があっての技だとわかるのですが、彼らの弟子の話を聞いているととにかく力が強いといっていました。技術の前に力が強いと。これはとても声の世界に通じるなと思います。(♭Σ)