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ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイストレーニングに関わっている方と、ブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「骨は、よこよこ。」

「骨は、よこよこ。」このフレーズを耳にすると、一部の声楽家は、にんまりとします。たぶん15年ほど前なら、多くの声楽家が顔をほころばせたでしょう。あるいは、憤慨する人もいたかもしれません。ある高名な、とてもビッグな日本人オペラ歌手のエピソードだからです。そのかたは、まだご存命ですが、たぶん未だに彼の声量を超える日本人オペラ歌手は、ほとんどいないのではないでしょうか。そんな方だからこそ、いろいろなエピソードが都市伝説のように語り継がれているのですが、これはその中の一つです。「城ヶ島の雨」という日本歌曲の中の歌詞に(曲は私の思い込みで、違う曲かもしれません。)、「船は、ゆくゆく(行く行く)」というフレーズが出てくるのですが、その方が歌うと、「骨は、よこよこ(横々)」にしか聞こえないというジョークです。誇張し過ぎだろうと思われるかもしれませんが、曲の歌詞を全く知らずに、その大先生が歌うのを聞くと、多くの方が「骨は、よこよこ。」に聞こえるはずです。「ふ」は限りなく「ほ」に近く、「ゆ」は限りなく「よ」に近く発音されているからです。なぜそうなってしまっているかというと、実は日本語の「う」は、外国人には「ゆ」に聞こえるほど、口の中が狭いからなのです。ですから、イタリア語などで「ウ」を発音するときに、日本語のように「う」と発音すると、外国人の先生に「発音が違う」と注意され、「お」のように口の中を開ける癖がしっかりしみついているのです。日本語の歌詞を歌うときも、それを緩和できず、このようなことになっているのです。
(♭Ξ)