ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

腹だけで声(高音)を出すこと

「お腹を使って高音を出す」。とても魅力的なフレーズですが、これは、本当なのでしょうか。半分は本当で、半分はウソです。まるで禅問答のようですが、2つのケースがあるということです。お腹を使うと、ギリギリ出せる最高音を、立派に出すことができます。ただし、立派には出せますが、楽に自由自在に使うことは難しくなります。言い換えると、立派にしか出せなくなり、そこから上の音には行けなくなります。それで構わないという場合には、とても効果的で、魅力的な力強さを発揮できます。では、お腹を使わずに、高音は出せるのでしょうか。高音域が得意ではない生徒さんには、夢のように思われるかもしれませんが、それほど発声の上達していない生徒さんの場合には、さほど難しいことではなく、楽に高音域が出せることは少なくありません。ただし、とても綺麗で立派な声ということは、ほぼゼロで、頼りなく小さめで不安定な控えめな声というのが、普通です。それでも、お腹をほとんど使わずに出せるその声は、お腹でサポートしながら磨けば、とても自由で伸び伸びとした高音域に育てることができるのです。(♭Ξ)