ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

声のチェック

声のレベルをあげるということは何か特別な方法があるわけではなく、日頃のトレーニングの質を上げるということ、定期的にレッスンで調整したり、ダメだしをもらうこと以外にないと思っています。
若い声楽家の中には教育機関を出るとレッスンに通わず自分だけでやっていけると思っている方も案外多いことに気づかされます。卒業したとたん月に一回あるかないかだけなどになる方も多いようです。
自分ひとりの力でなんとかできるというのは言葉だけ並べると勇ましくもありかっこいいですが、自分の力を過信している以外のなにものでもないと思います。本来は教育機関を出てからが本当の勉強なのです。
「神に口付けされた声」と例えられるパヴァロッティでさえデビューしてからもレッスンに通い、プラシド・ドミンゴは常に発声を奥様に見てもらう日々だったといいます。(奥様はとても高名なソプラノ歌手だった)
私の師匠の一人でミラノスカラ座メトロポリタン歌劇場パリオペラ座などで主役を歌ってきた方も奥様がいつも声のチェックをしていました。
レッスンというのは、学ぶという側面と自分の状態をチェックするという側面があると思っています。このチェックをおろそかにすると一日1mmずつのズレが一ヶ月すると30mmのズレになり元にもどすのに数ヶ月かかるなんてことになりかねません。チェックするという面でもレッスンを活用してほしいと思います。(♭Σ)