ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

発声のメソッド

マリオ・デル・モナコ、エンリーコ・カルーゾー、ジュセッペ・ジャコミーニなどの伝説的な歌手の録音、映像、資料などを集めるのが趣味の私からするとこのレベルの人達は自分独自の発声のメソードがあると思うのです。それは人が真似してもできるものでもないですし、他人がそのメソードを100%まねできたとしても一歩間違えば喉や声そのものを壊す危険性すらあると思います。その誰にもまねできないレベルの声というのは素晴らしいものがあります。誰もできないから素晴らしいのでしょう。
モナコが日本に来た公演後日本のテノールは皆モナコの真似して喉を壊したという話を聞いたことがあります。聴いた当初はバカだなと思いましたが、今思えば壊すか、壊さないかのギリギリで鍛えた声だからこそ「黄金のトランペット」なんていうあだ名があるんだろうなと思います。きっと同じ発声を100人やって、やり続けて1人、2人それっぽくなるかならないかの世界だと思うので、トレーナーの立場としてはこれを推奨はできません。でもこういう声の世界があるのも事実なので自分は目指してみたいなと思うのです。(♭Σ)