ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「甲斐栄次郎」

親子で楽しむバリトンコンサート。昨年まで10年間ウィーン国立歌劇場の専属ソリスト歌手だったという本人は「自分も二人の子供がいて、この子たちに聴かせてみたいと思ったので、このコンサートは夢でした。お子さんの泣き声は全く大丈夫ですし、普段外に出られないお母さんたちも出掛けられる機会をと思って」。ホールには幼児の泣き声叫び声が途切れず響く。その中で午前11時から「アマリッリ麗し」「われを見捨てて」「もう飛ぶまいぞこの蝶々」「わたしに最後の日が来た」など7曲を歌った。フレーズの終止と共に子供の声が入って来たりする中で集中力を持ち続けるのがすごいと思う。アンコールの日本語の歌を聴き、声そのものが深い場所にいる、と感じた。低く響くのではなく、声のいる場所が深い。イタリア語より日本語で聴いた方がそう感じた。ご本人が撮った写真をスクリーンに映しウィーン歌劇場での仕事の説明も興味深かった。実際の舞台に出ながら、他の演目の勉強も4つか5つ平行して抱えているとのこと。心身ともタフでなければ務まらない仕事だ。私も頑張って自主トレしなくちゃ。(KR)