ヴォイトレレッスンの日々  

ヴォイトレに関わっている方とブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナー、スタッフの毎日をとりあげていきます。

「『LET IT GO』のイディナ・メンゼル」

大ヒット公開中の映画、「アナと雪の女王」。まだまだ勢いがとまらず、ロングランが続いていますね。皆さんはもうご覧になりましたか?公開前から、そのテーマ曲「LET ITGO」はCMで何度となく流れ、耳馴染んでいましたが、公開するや否や爆発的なヒットで、昨日行ったレンタルCDショップは、全部貸し出し中になっているほどでした。そして、歌詞の内容とメロディラインが印象的で、最近では映画館で一緒に歌えたりもするそうですね。かく言う私も吹き替え版で二度鑑賞し、これから楽譜やCDを調達しようと思っている一人です。
さて、この「LET IT GO」、日本では松たかこさんによって歌われていますが、アメリカではイディナ・メンゼルという女優(歌手)さんが歌っています。彼女はミュージカル女優としても有名で、「RENT」や「ウィキッド」に出演し、(※)トニー賞も受賞した経歴の持ち主です。私が初めて彼女の歌声を聴いたのは、その「ウィキッド」というミュージカルのCDでした。力強く、伸びやかで、どこまででも出る高音。何度聴いても鳥肌が立ちます。
ある日、歌のレッスンでNYに住むアメリカ人のヴォイストレーナーが私に言いました。「ブロードウェイで『ウィキッド』を観たかしら?あの高音、すごいわね。力強いわね。地声みたいよね。でもね、あれは地声では絶対出ない。地声で出したら声がつぶれてしまうわよ。日本人はみんな地声、地声と、喉で押した声を出すの。とても聴きづらいし、喉に危い。あの声はね、顔の前の方、鼻の方に持ってきて、真っ直ぐピーンと張ったところで歌うの。地声っぽく聞こえるけれど、決して地声ではない。ミックスヴォイスというの。」
さらに恩師曰く、NYのミュージカル女優はみんな、その発声で歌っているのだそう。そのイディナ・メンゼルが歌う「LET IT GO」。
ウィキッド」と同じように、やっぱり高音が印象的です。どんなに高い音でも、苦しそうに聴こえない、喉を閉めている様子が全くないのです。それなのに裏声には聴こえない。魅力のある声ですね。
「地声」文化の日本では、まだまだこのテクニックは定着していないようですが、徐々に日本の歌唱法も変わりつつあります。一人でも多くの人が、楽に伸びやかに歌うテクニックを一日もはやく習得できますように、私自身も磨いていかなければいけないなあと思っています。
トニー賞 ミュージカル版のアカデミー賞のようなもの。
ウィキッド」のナンバー”Defying Gravity”(♯Å)